コラーゲンの髪への効果

コラーゲン」と言えば、

お肌がプルプルになるしっとりきめ細やかなお肌になれる、などなど・・・。

何となくコラーゲンはお肌だけに良いというイメージがありませんか?

コラーゲンが髪にもいい美容成分だと知らないなんて、もったいない。

コラーゲンは、髪にも効果があるんです!

コラーゲンの正体って何?

コラーゲンの髪への効果

結論、コラーゲンは体内タンパク質の1つです。

人間の身体は、約20%がタンパク質で出来ています。(水:約60%、タンパク質:約20%、脂肪:約15%、その他:5%)

コラーゲンは、体内に約20%あるタンパク質のうち約30%を占めるという重要な成分です。

全身を覆う皮膚に約40%、身体を支える骨に約10%~20%存在します。

コラーゲンは皮膚や骨だけでなく血管や内臓にも必要な成分なので、身体を形作るためにコラーゲンは欠かせません。

 

コラーゲンの役割

コラーゲンの髪への効果

細胞と細胞の間にコラーゲンを主成分とする細胞を包み込む膜があり、細胞が壊れないように守っています。

細胞を守る膜は、体の内側からほかの組織を支えたり、結びつけたりする役割を持つ細胞の周りにたくさん存在します。

皮膚や骨の周りにコラーゲンが多く存在するのは、組織を支えたり守る重要な役割があるからなんですね。

 

コラーゲンの構造

コラーゲンの髪への効果

コラーゲンは、「3重らせん構造」という形をしています。

3本の鎖が、グルグルと複雑に絡み合っている状態です。

コラーゲンを作っている鎖1本には、約1,000個のアミノ酸がつながり、さらに強度を高めるため分子1つ1つが手をつなぎあっています。

 

コラーゲン、ゼラチン、コラーゲンペプチドの違い

コラーゲンの髪への効果

コラーゲン
分子が大きく、消化吸収されにくい
ゼラチン
コラーゲンを加熱後、精製したもの。水に溶けにくいが、温水にはよく溶ける。
コラーゲンペプチド
ゼラチンを酵素分解したもの。分子が非常に小さく、水によく溶け消化吸収されやすい。化粧品やサプリメントのコラーゲンは、コラーゲンペプチドを指すことが多い。

 

体内コラーゲンの減少は、30歳頃から!

コラーゲンの髪への効果

体内のコラーゲン量は、成人へと成長するにしたがって、どんどん増えていきます。

しかし、骨格や筋肉量が完成する20代~30代前半でピークを過ぎてしまい、その後年齢を重ねるごとに減少していきます。

お肌のハリがなくなったり、頭皮が硬くなったと感じるのは、体内コラーゲンの減少が大きく関係していそうです。

参考資料:Relationship between skin collagen and bone changes during aging. Maturitas
Castelo-Branco C, Pons F, Gratacós E, Fortuny A, Vanrell JA, Gonzalez-Merlo J. 1994 Mar; 18(3):199-206

頭皮にも影響大!コラーゲンと皮膚の関係

私たちの皮膚の内側にある真皮の約70%は、コラーゲンでできています。

真皮は、コラーゲンやエラスチンといったプルプルとした弾力のある成分が複雑に張り巡らされ、その編み目の中にヒアルロン酸が入っています。

プチプチ(気泡緩衝材)で例えると図のようになります。

外側のビニール部分がコラーゲンで、中に入っている空気がヒアルロン酸です。

コラーゲンの髪への効果

コラーゲンで作られた強固な外側の構造と、ヒアルロン酸で中が満たされることによって、表皮(お肌)にハリが出ます。

食品やサプリメントで摂ったコラーゲンは、血液によって真皮まで届けられ肌のハリ生む材料として利用されているんです。

コラーゲンとエラスチンによってお肌の土台が強固になると、ふっくらモチモチ肌を実感しやすくなります。

また、嬉しいことにコラーゲンがヒアルロン酸を増加させる可能性もあるそうです。

お肌のハリをよくするコラーゲンは、ヘアケアにも重要な美容成分です。

やわらかなハリのある頭皮は、髪の栄養を届ける血流が流れやすくなり健康な髪が育つ最適な頭皮環境です。

コラーゲンが髪を太くする!と噂される真相とは

コラーゲンの髪への効果

コラーゲンが髪を太くする可能性があることを考察した論文が発表されています。

参考資料:コラーゲンペプチド含有食品摂取による毛髪への影響に関する検討 -二重盲検群間比較試験-
(2008) 日本美容皮膚科学会雑 18:311-320

コラーゲンが及ぼす髪への影響:実験の内容・条件

健康な成人女性を、コラーゲンペプチドプラセボ※注1(人体に影響のないデキストリン)を8週間にわたり食べ続けてもらう2グループに分ける。

注1:プラセボ…効果のないものを効果があると称して与える、”偽の薬や薬に似せた気安めのもの”

実験結果

コラーゲンの髪への効果

髪の毛の太さに違いがあるかどうかを2グループに対して調べると、コラーゲンペプチドを食べたグループの方が、髪の毛が太くなっている結果が出ました。

さらに、実験に参加された女性達にアンケートを行ったところ「まとまり」、「ツヤ」、「なめらかさ」、「しっとり感」、「指どおり」すべての項目で、改善されているように感じるという結果も出ました。

コラーゲンペプチドによって髪が太くなり、まとまりやツヤを実感されやすくなったことがアンケート結果からも分かりますね。

コラーゲンで髪が太くなる実験結果は発表されていますが、髪が太くなるメカニズムは今のところ、詳しくは分かっていません。

可能性として、髪を作り出す毛乳頭(毛母細胞)にコラーゲンペプチドが働きかけ、毛母細胞の働きを促進しているのではないかと考えられています。

コラーゲンの髪への効果

 

コラーゲンの効果的な摂り方

コラーゲンを毎日の食事から摂取できれば最高ですよね。

しかし、通常の食品に含まれるコラーゲンは、分子の大きなコラーゲンで吸収率のよいコラーゲンペプチドはごくわずかしか含まれていません。

私たちが食事だけで1日10,000mg(10g)や5,000mg(5g)のコラーゲンを摂取することは、非常に難しくなっています。

食材中のコラーゲン含有量

肉類 コラーゲン量
(mg/100g)
牛スジ 4,980
鶏軟骨 4,000
豚白モツ 3,080
鶏砂肝 2,320
鶏手羽元 1,990
豚レバー 1,800
ソーセージ 1,570
鶏もも肉 1,560
鶏手羽先 1,550
鶏骨付きぶつ切り(皮あり) 1,530
豚スペアリブ 1,460
豚小間肉 1,190
ハム 1,120
鶏レバー 860
牛肩肉 750
平均 1,984
魚介類 コラーゲン量
(mg/100g)
ハモ(皮のみ) 7,660
うなぎの蒲焼き 5,530
ハモ(皮あり) 3,560
ハモ(皮なし) 2,540
サケ(皮あり) 2,410
サンマ開き(皮あり) 2,230
しらす干し 1,920
サンマ(皮あり) 1,820
なまり節(カツオ) 1,660
ブリ(皮あり) 1,620
イカ 1,380
イカナゴ 1,290
サワラ(皮あり) 1,280
塩サバ切り身 1,250
平均 3,071

 

参考資料:20代から50代日本人女性における食事由来コラーゲン推定摂取量の特徴
http://www.jilr.or.jp/files/eiyogakuzashi70_120.pdf

コラーゲンペプチド配合のサプリメントを活用

食事だけで摂取の難しい栄養素を効率よく摂る助けになるのが、栄養補助食品と呼ばれる「サプリメント」です。

サプリメントに配合されているアミノ酸は、吸収効率のよいコラーゲンペプチドがほとんどです。

粉末やタブレット、ドリンクなどいろいろなタイプのコラーゲンサプリメントが商品化されているので、ご自身の好みやライフスタイルに合ったものを選んでください。

コラーゲンを摂る時に「バランスの良い食事をしているから、コラーゲンサプリメントは不要!」、「サプリメントがあるからバランスの良い食事は意識しないでもいい」など、どちらか一方だけはおすすめできません。

バランスの良い食事 + コラーゲンサプリメントの両方でコラーゲンを摂り入れていくと、スキンケア、ヘアケアに重要なコラーゲンを高い吸収率で摂れますね。

コラーゲンは、1日で体内に生成されるものではありません。

バランスのよい食事もサプリメントも続けることが大切。

人間の細胞のサイクルから考えると、およそ3ヶ月間は継続して続けることをオススメします。

 コラーゲンは、直接飲んでも意味がないと聞いたことがあります。
コラーゲンサプリやコラーゲンドリンクを飲んでも意味が無いのでしょうか?

 コラーゲンを直接飲んでも意味はありません!
なぜなら、コラーゲンの分子はとても大きく、体に吸収されにくいからです。

一方、コラーゲンの分子を小さくしたコラーゲンペプチドは、体内で吸収されやすくお肌や髪に届きやすくなっています。

コラーゲンを飲む】・・・分子が大きくてあまり意味が無い
コラーゲンペプチドを飲む】・・・お肌や髪に届きやすい

このように覚えておいていただければ、分かりやすいですね。
サプリメントやドリンクで使われているコラーゲンは、その多くがコラーゲンペプチドです。
コラーゲンペプチド配合の補助食品をうまく活用すると、コラーゲンの吸収を効率的に上げていけますね。
コラーゲンの効果は、アルコールのように飲んだ瞬間に感じられるものではありません!
コラーゲンを利用するときのポイントは、ズバリ【継続的に摂り続けること】です♪

 

参考資料:コラーゲンペプチド経口摂取による皮膚角層水分量の改善効果
Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology 56(3), 137-145, 2009-03-15