知っているようで知らない、炭酸水のこと

健康・美容効果で注目され続けている炭酸水。
農林水産省が定める「炭酸飲料の日本農林規格」では、「飲料水に二酸化炭素を圧入したもの」「甘味料、酸味料、フレーバリング等を加えたもの」と定義されています。
つまり、炭酸水は、二酸化炭素(炭酸ガス)を溶かし込んだ水です。
炭酸水に溶けている二酸化炭素の濃度は?

コンビニやスーパーで手に入る炭酸水で、二酸化炭素濃度は0.3%~0.4%(3000ppm~4000ppm※)です。 ※ppm(パーツ・パー・ミリオン)は、100万分のいくらであるかという割合を示す数値。 炭酸濃度を表すときによく使われる単位。
ちなみに泡の数や大きさは炭酸濃度と関係はありません。 炭酸の泡は、異物や汚れに反応して発生します。汚れたコップとキレイなコップの両方に炭酸水を入れると、汚れたコップにたくさんの気泡が発生します。気泡の量は濃度とは無関係なので、シュワシュワしていないから低濃度とはいえません。泡立っていなくても同じ量の炭酸ガスが溶け込んでいれば、同じ炭酸濃度です。
炭酸濃度を保つために
| 開封前のペットボトル | 開封したペットボトル | コップに注いだ後 |
|---|---|---|
| 炭酸濃度 3,000~6,000ppm |
炭酸濃度 1,000~2,000ppm |
炭酸濃度 600~1,500ppm |
空気に触れると炭酸濃度は下がる
炭酸濃度は空気に触れると20%~30%の割合で下がっていきます。 揺らしたりかき混ぜたりすると、どんどん濃度が下がっていきます。 濃度をキープするためには、なるべく揺らさず空気に触れないように。開けたらすぐにしっかりキャップを閉める。そして、冷蔵保存し、炭酸が抜ける前に飲み(使い)きってください。
水温が上昇すると炭酸濃度は下がる
炭酸濃度は、温度に敏感です。冷蔵庫で冷やして高濃度をキープ。0℃のときに3,000ppmだとすると40℃では1,000ppmまで下がります。 約40℃が炭酸濃度の限界です。40℃以上では、二酸化炭素が水に溶け込めなくなってしまい、全て外に出て行ってしまいます。
炭酸水は弱酸性

弱酸性の飲料水は体に優しいとされています。ph値(ペーハー値)でみると炭酸水は、髪や肌と同じに弱酸性です。
肌の表面は弱酸性(pH4.5〜6.0)に保たれているため、皮膚のバリア機能が守られています。
髪の弱酸性も、pH4.5~5.5が理想的と考えられています。
炭酸水の分類
天然炭酸水
・もともと天然の炭酸ガスを含む
・採水地によって炭酸の強さや水の硬度、ミネラルの含有量などが異なる
・流通している天然炭酸水のほとんどはヨーロッパが原産国
天然水炭酸水
・天然水に後から炭酸ガスを人工的に加えたもの
・ベースが天然水なので、採水地によって水の硬度やミネラルの含有量が異なる
人工炭酸水
・純水やろ過水に人工的に炭酸ガスを加えたもの
・安価に大量に作ることができるので、価格がリーズナブル
・日本で生産される炭酸水に該当する
炭酸水(軟水、硬水)の違い

炭酸水には硬水と軟水があります。
硬度は、ベースとなる水に含まれるカルシウムやマグネシウムの量で決まります。
一般的に1リットルあたり120mg以上のミネラルを含むものは硬水、120mg未満のものは軟水に分類されます。
硬水は飲みごたえが感じられ、ミネラル補給や便秘解消の手助けやダイエットに適しています。
軟水はやさしい口当たりで飲みやすく、クセが少ないので料理での使用におすすめ。ミネラル含有量が少ないため、肌や髪への刺激が少なく、洗顔や洗髪にも安心して使用できます。
近年は、自宅で気軽に炭酸水を作れる炭酸サーバーが簡単に手に入るようになりました。使用する水は、水道水ではなく一度煮沸させた水を使うと余分な成分が入っていないので安心して使えますよ。
炭酸パワーを活用しよう

炭酸水ダイエット
食前に少量の炭酸水を飲むと食欲が増しますが、食前の30分前に飲む量を500mL程度に増やすと食欲抑止効果になります。
炭酸ガスによって胃が膨らむため満腹中枢を刺激され、お腹一杯の感覚になるからです。
炭酸水はあくまで食べすぎを防ぐための補助的な役割と考えてください。
また、目覚めた時にコップ半分の炭酸水を飲むと、炭酸ガスの刺激によって腸のぜん動運動が行われ消化活動が活発になり、便秘解消が期待できます。
※体質的にお腹が弱い人や胸焼けを起こしやすい人は体調と相談しながら炭酸水を利用してください。
炭酸泉
炭酸泉は、お湯に炭酸ガスが溶け込んでいるお風呂。
血流促進(冷え性改善)や疲労回復などさまざま健康効果が期待されています。
炭酸濃度が250ppm以上の場合に天然炭酸泉と呼ばれます。医療施設で使われている療養泉(人口炭酸泉)の場合は、1,000ppm以上の炭酸濃度があります。天然炭酸泉が多いヨーロッパでは昔から医療に使われていました。日本でも炭酸泉の活用が徐々に広まりつつあります。
高濃度炭酸風呂に入る際は、換気が必要なケースもあります。締め切った室内の中で高濃度の二酸化炭素を吸ってしまうと、頭がクラクラすることがあるので換気に気を付けてください。普段からお風呂上がりに立ちくらみが起こりやすい人や病院で自律神経が弱っていると診断されている場合は、炭酸浴に向きません。
肌と毛穴を引き締める
炭酸水には収れん作用(肌の引き締め効果)もあります。
スキンケアとして話題の炭酸パックは、肌を引き締めて、炭酸の浸透力を利用し潤い成分を届け、キメの整った美肌に導きます。
頭皮スッキリ、気になる臭いケア
炭酸水を使ってシャンプーをすると、炭酸の気泡が毛穴の汚れ・余分な皮脂を取り除いてくれます。
そのためベタつきがなくなり、スッキリとした洗い上がりに。
頭の臭いの原因である皮脂汚れをキレイに洗い流せるので、臭いケア対策にもなります。
簡単に使える炭酸シャンプー
炭酸水を料理にも活用しよう
お米を炭酸水で炊くだけでふっくらモチモチ

いつものように水道水でといで、お米を炭酸水で炊くだけです。「量が増えた?」と思うぐらいの仕上がりになります。
量が増えたように見えるのは、炭酸ガスが気泡化して、お米一粒一粒が立ったようになるからです。見た目もツヤツヤでモチモチしたゴハンになります。
お米への浸透力が高い「軟水」を使った炭酸水が、お米を炊くのにおすすめ。
みんな大好き!粉モノがお店のようにふんわりと

お好み焼き、たこ焼き、パン、ホットケーキなど「粉モノ」に炭酸水はピッタリです。
炭酸水を使うと、自宅の粉モノがお店クオリティに大変身します。
ホットケーキであれば、牛乳の半分を炭酸水に変えるだけでいつもの1.5倍はふっくら。
軽い食感で、ふんわりとした口どけがよいホットケーキができます。






